
蛹化
大きく成長し、体が黄色くなって成熟した3齢幼虫は前蛹とよばれる状態になります。やがて周りを糞で固めて蛹室を作り始めます。ほとんどの場合、ビンの壁面に沿って蛹室を作るので、その様子が観察できるはずです。蛹室を作り終えた幼虫は、徐々に体が縮み皮膚はシワシワになり前蛹状態になります。蛹室を作り始めてから2〜4週間経ち、丸まっていた幼虫の体が水平に伸びて仰向けになると、いよいよ蛹化が始まります。蛹化直後の蛹はまだ白く柔らかいが、徐々に固まり色づいてきます。蛹は非常にデリケートです。割出す際や人工蛹室に移す際は十分注意しましょう。ちょっとでも傷を付けてしまうとそこから体液が出てしまい死んでしまうか、生きていても羽化不全の原因となってしまします。
飼育容器
ほとんどのクワガタは蛹室を横向きに作るため、幼虫が十分な大きさの蛹室が作れる容器に移しておくことが重要です。小さめのビンで飼育している場合は、蛹室を作る前に大きめのビンやプラスチックケースに移すか、ビンを横向きに置いておくと良いでしょう。蛹室の大きさが足りないと、蛹化不全で死亡することもあるので注意しましょう。また、ビンの底に蛹室を作った場合は、蛹化や羽化の際に水やガスが溜まり、不全や死亡の原因になる場合があります。この場合は、ビンを引っくり返して逆さまに置くと水が溜まるのを防ぐことができます。但し、マットが柔らかいと崩れてしまい、通気穴を塞いでしまうこともあるので注意しましょう。
飼育場所
幼虫飼育と同様に、なるべく温度変化の少ない暗くて静かな場所に置きましょう。
温度
蛹の時期は、あまり温度が下がり過ぎないように注意しましょう。温度が低いと羽化するまでの時間が長くかかってしまい、羽化不全の原因にまります。蛹は非常にデリケートで、この時期を長く続けることはあまり好ましくないため、20℃以上保つようにして早めに羽化させた方が良いでしょう。
振動
蛹は最もデリケートな時期なので、取り扱いには十分注意しましょう。特に蛹化直前〜直後の時期は絶対に振動を与えないようにします。ショックによって蛹化不全を起こし死亡します。また、蛹化直後の白い蛹はまだ柔らかく体が固まっていないため、傷ついたり、体が変形してしまう場合もあります。
蛹化前に
菌糸ビンは2ヶ月を越えたあたりからどんどん劣化していきます。幼虫が蛹になる頃は、温度がどんどん上がってくる頃です。劣化したビンの中に蛹を入れておくと、ガスが発生したり、寄生虫が発生して、蛹が死んでしまったりすることがあります。蛹室内にキノコが生えてしまうこともあります。このようになる前に、3齢後期で菌糸ビンを交換するのがいいようです。この際、菌糸ビンは幼虫のエサとしてではなく、正常な羽化のための蛹室を形成させることを目的とした捨てビンとして割り切ります。
人工蛹室
何らかの原因でうまく蛹室が作れなかったり、蛹室が崩れてしまうと蛹化不全、羽化不全の確率が高くなります。この場合は、一旦取り出して人工蛹室に移します。基本的には蛹化後1週間以上経ってから取り出すのが安全であり、それ以前の取り出しは危険が伴います。蛹を取り出す場合は、少しずつマットを削っていき、蛹室の周りのマットを全て取り除いてから蛹室を割るようにしましょう。蛹室の壁は固いので、どこからが蛹室なのか感触で解るはずです。蛹室を割る際は、蛹を傷付けない様に細心の注意を払い、穴が空いたら少しずつ蛹室の壁を取り除くようにします。いずれにしても、この時期の取り出しは非常に危険で死亡率も高いので、特に問題なければ取り出しは避けた方が無難です。以下に、オアシスを利用した人工蛹室の作成方法を紹介します。これ以外に、既に羽化した後の天然蛹室を再利用する方法もあります。
人工蛹室を利用することでこれらの問題が解消されます。初めちょっと面倒だし抵抗がありましたが、使ってみるとなかなか良いです。菌糸ビンの中で羽化させるよりも確実に綺麗な固体が生まれます。ただし人工蛹室でも注意すべきことがあります。それは水分です。人工蛹室はスポンジで出来ているのですが、そのままでは乾いていますので、水を含ませるのですが、これが多すぎると蛹が腐ってしまいますし、少ないのもまたダメです。人工蛹室を入れる容器に0.5cmぐらい水を入れて、それをスポンジに含ませるといいと思いますが、これは感覚的なもんですので、頻繁にチェックが必要だと思います。
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