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タランドゥス
アフリカのコンゴ盆地周辺に生息しています。最大体長は90mmを超え、横幅があり重量感があります。大顎は湾曲してガッチリとしています。非常に特徴的なのが、漆を塗ったような艶やかなボディです。また、独特の「ブーン」と震わせるバイブレーションも人気の1つです。カメルーン地方を境に西部への固体は大顎の湾曲がやや弱いレギウスと呼ばれる成虫が生息しています。コンゴは内戦が続く非常に治安が悪い国の一つで、伝染病もあり、棲息地へ調査に入る事は非常に危険をともないます。その為、飼育方法は完全には解明されてなく、繁殖は非常に難しいクワガタです。タランドス飼育は産まない採れない育たないと言われ難攻不落な虫とされてきましたが、ブリーダーの方々の試行錯誤の結果、確立されつつ有ります。

タランドゥス飼育の難点
成虫を入手することが難しい。まだまだ高価。
繁殖方法が確立されていない。
簡単には産卵してくれない。産卵に適切な環境がわからない。
幼虫の最適なエサが何かわからない。
孵化しても死んでしまう幼虫が多い。3齢でも突然死する。
前蛹時での暴れによってサイズダウンする。
70mm以上の成虫を羽化させる事が難しい。
棲息地が雨季乾季があり温度湿度の管理がわからない。

成虫飼育
タランドゥスは温厚な性格でオス♂メス♀を一緒に飼っても問題はありません。エサは普通のゼリーで大丈夫ですが大食漢です。ペアリング前から高タンパクゼリーを与えるのがいいでしょう。ワイルド個体は特有の蟹のようなダニが発生する事が多く、卵や幼虫を死亡させてしまいますので注意が必要です。成虫飼育に関しては意外と簡単で他のクワガタと変わりません。温度は20〜25℃で管理しましょう。タランドゥスは冬場から初春にかけての産卵が多いので、4月〜5月に入手した固体では全く産まない事があります。産卵は羽化後6〜8ヶ月位で行うようです。また、飼育しているとだんだん附節が取れてきます。ある程度産卵すると産卵を止めてしまうメス♀が多いようです。こういった点からも、親種の入手はブリード個体が良いです。飼育ケースはコンテナを使うよりもプラケースのほうが乾燥して良いです。

産卵セット
産卵セットは皆さんが試行錯誤するところです。メス♀は産卵木に坑道を掘って、産卵床を作って産卵します。産卵床で産んだ卵にマットをかじった細かい粉で覆うようにしています。また、外敵の侵入を防ぐように坑道で居座るのも特徴です。たとえメス♀が産卵木に坑道を掘ったからといって、産卵しているとは限らないのです。コレが産まないといわれてる所以です。産卵床に落ち着いて7日程で産卵に入り、孵化は産卵から15日前後と早いです。「産まない育たない」と言われていたタランドゥスも、最近では当たり前のように採卵成功の声が聞かれるようになりました。採卵〜幼虫飼育まで、カワラ菌床で飼育することで、かなり安定した成果が上がっています。タランドゥスは材の芯付近の硬い部分にあたると、その周辺に産卵することが多いらしく、材は芯がしっかりしているものがいいようです。

1つ目のセットは人工カワラ材を産卵木とする方法です。乾燥気味のクヌギ微粒子マットを材が転ばない程度に敷きます。カワラ材には穿孔のきっかけとなるようにメス♀が入るくらいの穴を開けておきます。穴はマットからメス♀が入りやすい高さになるようにします。産卵木は太く大きなものを入れます。材の皮は剥いても剥かなくても良いようです。タランドゥスは乾燥気味が良いらしく加水はしません。至って普通の方法ですが、人工カワラ材を選択するところがポイントです。

2つ目は擬似産卵木としてカワラタケ菌糸ボトルを入れる方法です。乾燥気味のクヌギ微粒子マットを菌糸ボトルが転ばない程度に敷きます。卵や初齢幼虫で割り出した場合に死んでしまう事が多い状況から初めからカワラタケ菌糸に慣れさせたり、菌糸を食べさせて大型を狙ったり、メス♀が材をかじる際の体力消耗防止など目的です。こちらも穿孔のきっかけとなるようにメス♀が入るくらいの穴を開けておきます。穴はマットからメス♀が入りやすい高さになるようにします。菌糸ブロックを置くブリーダーもいます。菌糸ボトルに産むのかと不安になりますが結構産むんです。タランドゥス専用産卵ボトルなるものも販売しています。

3つ目はタランドゥスの産卵に評判のハイパーレイシ材です。クヌギ材にマンネンタケを培養した材で、赤いキノコが生えてくるのが特徴です。こちらも大きくて太い材を選びましょう。タランドゥスのメス♀が材の中で産卵床を作っても大きさに不自由しない位の大きさを選びます。乾燥気味のクヌギ微粒子マットを材が転ばない程度に敷きます。材には穿孔のきっかけとなるようにメス♀が入るくらいの穴を開けておきます。穴はマットからメス♀が入りやすい高さになるようにします。加水の必要はありません。

産卵モードに入らないメス♀は26℃付近から23℃以下に下げるなどの温度変化を与えたり、材を変えてみたり、材に少し加水したりすると活動に入る事もあります。いったん高温にしてから下げるのがいいようです。これは棲息地で温度変化の激しい時期に産卵していると言う気候変化を利用したものです。産卵スイッチが入ると1〜2週間は潜りっぱなしでエサも食べずに産卵に集中します。かじりカスは見えているけどエサも毎日減っているという場合には、産卵していない可能性が大です。一度産卵した材にはなかなか産まない事が多いようです。1回の産卵数は10前後と少ないです。

ダニ対策
メス♀は産卵床に落ち着いて7日程で産卵に入り、孵化は産卵から15日前後です。坑道を掘ってから20日での解体ではダニ被害が極端に多くなるようです。(高温期では14日が限界)逆算すると、坑道を掘って7日後では早すぎ、14日後が遅延限界となります。ダニの被害を無くす為には卵の段階で採取する方法が良いですが、孵化しても死んでしまう初齢幼虫が多いのです。孵化して拒食しない方法は下記に記載しています。

割り出し
メス♀が産卵木に坑道を掘って出てこなくなったら産卵してる可能性があります。産んでない可能性もありますので産卵木を替えてトライしましょう。本来なら産卵を確認する為に割り出しを行うのですが、タランドゥスは卵や初齢幼虫で孵化後拒食を起こし、死亡する確率が高いので初齢後期や2齢まで産卵材の中で育てた方が無難でしょう。ただし、ワイルド個体の卵はダニに吸われてしまう危険が伴います。卵で取り出した場合、ティッシュや高品質マットを孵化用ベッドとすることで、人口孵化率も高いようです。卵の色は産卵後スグはベージュとも小豆色とも言われますが大きくなって神秘的なメロン色のようなグリーンになります。2齢付近での割り出し時期は20〜23℃で1ヶ月位です。

卵〜2齢幼虫の管理
タランドゥスの飼育が難しいとされる中に「育たない」があります。孵化しても拒食するなどで苦労します。かといって材やマットだけで飼育しても小さな成虫しか出来ません。やはりタランドゥスも菌糸飼育がベストになります。ですが、カワラタケ菌糸ボトルに初齢を投入では菌糸に巻かれてしまったり拒食したりします。ひとつの解決策として卵や初齢で採取したら、プリンカップにカワラタケ菌糸を下半分、マットを上半分入れます。この時、菌糸やマットはギュウギュウに詰めないほうが良いようです。さらに中央にくぼみを作り、産卵床のメス♀のかじりカスを入れ、卵や幼虫を入れます。菌糸ビンには死亡率を防ぐため、初令後期から2令初期で投入するとよいです。この時もくぼみを作り、幼虫の食べかすを入れるほうが良いかもしれません。ボトル上部に出来るカワラタケの皮膜は酸欠防止のためにも観察しながらも取り除くと良いでしょう。カワラ菌糸ビンは毎月1回交換するのが良いようです。最初の菌糸ビンは500〜700ccの小型の菌糸ビンで良いですが、2齢後期は大型の1500cc以上の菌糸ビンへ投入しましょう。温度は20〜23℃で飼育すると死亡率が少ないです。温度が低すぎるとエサの食いが悪くなり、高すぎると菌糸の状態も悪くなり死亡する確率が多いです。

割り出し〜卵〜2齢までのポイント
上記ではプリンカップにメス♀のかじりカスや産卵床のカスが良いと書きましたが、それ以上にもっと良い方法があるようです。これは累代していないと手に入れられないんですが、3齢幼虫の食べカス、つまりは黒く変色したマットが有効なようです。タランドゥスの幼虫の食べカスは独特で黒くベトベトしています。これは幼虫が口から吐き出す黒い粘液によるようです。この食べカスが孵化後の幼虫や初齢幼虫に効果があるようなのです。今後のタランドゥス累代をしていくなら捨てずに保管しておくと良いでしょう。

3齢幼虫管理
タランドゥスの場合、3齢以降での「暴れ」を招くことが多いですが、このような前蛹状態での暴れの場合は余程、劣化したマット状態でなければ新しい菌糸ビンには交換せずに、一旦幼虫を取り出した後、再度マットを堅く詰め戻す作業を迅速に行う方法があります。そして飼育温度を25〜27℃程度まで一気に上げて蛹化を促す事で縮みは最小限に抑えられるようです。最終段階で新しい菌糸ビンへ投入した幼虫は暴れが治まらずに縮み度合いも多いようです。また、25℃以上に飼育温度を上げるので、カワラ菌床の劣化は早くなります。タランドゥスの「育たない」の難関は前蛹に向けての「暴れ」を未然に防ぐことで、サイズダウンを回避することが重要です。

ここまでくれば他のクワガタと同じです。温度管理では試行錯誤が必要なのでしょう。基本は23℃位をキープベストでしょう。産卵スイッチを入れるために温度変化を与えたり、幼虫を大きくする為に低温すぎず高温すぎずをキープすることも重要です。蛹化したら高温気味で蛹化期間を短くすれば良いかどうかは今後の課題です。


テストしてみたいセット方法
産卵セットは「ハイパーレイシ材」を投入して産卵開始から22℃キープで材を1ヶ月保管、初齢後期で割り出し、菌糸ビンには投入せずに「フォース・カワラタケ」に投入、3齢で再度「フォース」を投入。前蛹付近では暴れてしまうので3齢中期頃には遅くても投入したいです。「ハイパーレイシ材」はタランドゥスには実績があるのでぜひ使ってみるのがいいでしょう。直径16cmの特大の3Lサイズで。「フォース・カワラタケ」は大容量3.5L(実容量2.5L)と菌糸飼育と材飼育の融合です。菌床の中に菌糸材をまるごと1本埋め込んであります。しかも埋め込まれた材は原型を留めつつ「菌糸瓶化」しています。コスト的には2度目のフォース投入よりは菌糸ビン投入が良いんでしょうが、大量飼育が望めないタランドゥスですので1頭1000円位の追加出費はやむを得ないところです。
もうひとつ1つの方法は、産卵セットは「タランドゥス産卵ボトル」で産卵させ、割り出しを行い、これまた初齢から菌糸ボトル投入実績のある「アンクシャス・タイプ2」で蛹化まで。「アンクシャス・ラグジェリアス」が製品化されれば試したいですね。産卵ボトルは「対タランドスダニ対策仕様」です。いずれも実績がある方法ですので、確実に累代していく方法かもしれませんね。


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