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ミヤマクワガタ成虫飼育
ミヤマクワガタは昼行性で日中でもケース内を歩き回ったりして落ち着きません。その為体力を消耗してひっくり返って死んでしまうことがよくあります。また非常にデリケートなクワガタですので飼育は比較的難しいと言えるでしょう。ミヤマクワガタとノコギリクワガタはオオクワガタと違う方法で飼育します。国産ミヤマを制するものは世界のクワガタを制するといわれるほどです。ミヤマクワガタのポイントは転倒死の防止と温度管理とマット作成とメス♀を殺さないようにすることに尽きると思います。特に重要なのがのが黒土マットの作成です。ミヤマクワガタは産卵木ではなくマットの中に産卵します。

ミヤマクワガタ飼育の難点
自己採集以外では元気な成虫を入手することが難しい。
高温に弱く、夏場の温度管理が難しい。
とても弱いので、長生きさせる事が難しい。
安全に交尾させる事が難しい。♂オスが♀メスを殺す確率が非常に高い。
簡単には産卵してくれない。産卵用のマット作りに手間がかかる。
幼虫が大きく育たない。幼虫の最適なエサが何かわからない。
いつまでも蛹化しない幼虫がいて、対処に困る事が多い。
羽化してもお尻でっかちな成虫になる事が多い。
70mm以上の成虫を羽化させる事が難しい。
羽化しても休眠時間が長く、その間に死んでしまう確率が高い。

飼育ケースセット方法
ミヤマクワガタは成虫での寿命は短いため、寿命をいかに延ばすかが産卵成功の鍵を握っています。成虫の死亡原因の1番は転倒死です。ミヤマクワガタのオス♂は交尾相手を求めて枝を歩き回ります。狭いケ−スの中ではケ−スの蓋に登ろうとしてケ−スを引っ掻き、登れずに転倒し起きあがれずに消耗して死亡します。この転倒死を防ぐためにマットを蓋ギリギリまで入れて、ミズゴケや産卵木から剥がした木の皮などを入れます。蓋に顎が引っ掛からないように新聞紙などを挟んで蓋をします。こうする事により、立ち上がってケ−スを引っ掻く状態は発生しにくくなります。中型プラケ−スでオス♂1匹メス♀3匹、大型プラケ−スだとオス♂1匹メス5匹が飼育の限界です。ミヤマクワガタは高温に非常に弱いので、夏場で25℃を超えないようにします。30℃超えると確実に死にます。 とにかく涼しい場所で飼育しましょう。ミヤマクワガタは高い湿度を好みます。毎日、霧吹きでの給水を行って下さい。夏場はケース内が蒸れないように注意します。

マット作成
産卵マットはミヤマクワガタ用にします。基本は3層構造です。最下層は黒土を使用します。マット作成において一番重要となる部分がこの黒土マットとなります。黒土マットは園芸用などでも流用可能です。水分は軽く握って団子が崩れる程度で、逆さにしてもケースより黒土マットが落ちてこない位に拳などで固く、5〜10cm詰めていきます。中層部は小麦粉添加発酵マット編を使用しますが、この層にもにも産卵することがありますので手を抜かずに行います。小麦粉添加発酵マットは、そのまま使用しないで篩に掛けた後、 更に微粒子化するため、ミキサーに掛けます。細かく微粒子状に粉砕したら水分調整して最下層部同様に固く詰め込んでセットしていきます。次に加水した柔らかめのクヌギやコナラ材を1〜2本入れます。これは産卵木編を参考してください。産卵木には産卵しませんが、産卵行動の促進と材とマットの接する部分に産卵することも多い為です。また、産卵木をマット上面から少し出すことによって転倒防止にもなります。上層部のマットは微粒子状に粉砕したカブクワマットをクワガタが立ち上がれない程度まで埋めます。最後に転倒防止用にミズゴケや産卵木から剥がした木の皮などを入れて新聞紙等を挟みます。

ペアリングと産卵
ミヤマクワガタはペアリングを頻繁にします。しかし、オス♂は非常に乱暴者で交尾がうまく行かないとメス♀を挟み殺す事がよくあります。交尾を確認したら早めにオス♂を取り出すとよいでしょう。野外採集のメス♀であればすでに交尾している物も多く無理にペアリングさせなくてもメス♀のみの飼育で産卵する場合もあります。ペアリングを済ましたメス♀は、交尾後2〜3週間で産卵を始めます。産卵が始まるとメス♀はマットの中に潜ったままになります。メス♀の姿が見えなくなった場合は産卵を始めている可能性が高いです。またミヤマクワガタは晩夏に産卵をする事が多く、ペアリング後、産卵する気配が無くても根気よく待つことが大事です。産卵にはかなりの体力を消耗しますので、産卵期のメス♀には高タンパクゼリーを与えるようにします。マット表面にメス♀の姿が見えなくなったら死んでいると考えて間違いないです。メス♀は産卵後にマットの中で死んでしまう事が多いです。ケースの底に卵や幼虫が確認できたら水分補給は少なめにします。たくさん水をかけすぎると、マット底に流れ着いた水が卵や幼虫を窒息させてしまいます。

割り出しと幼虫飼育
セットしてから割り出しまでは3ヶ月程度はそのままにし、ケース底にある程度成長した幼虫が見え始めてから取り出した方が生存率が高まります。孵化した幼虫は、黒土の中を進んで産卵木へ入っていきます。産卵木に幼虫がいる場合がありますので割り出しをしてください。あとは他の幼虫同様にプリンカップなどで一匹づつ個別にして発酵マットなどで育ててください。大きくなってきたら小プラケースや飼育ビンで飼育します。黒土は産卵させるための方法で、幼虫を育てる方法ではありません。幼虫飼育は幼虫飼育編を、マットの作成は小麦粉添加発酵マット編を参考にしてください。小麦粉発酵マットはかなりの成果が期待できます。マットの水分を大目にすると死亡する確率が高くなります。ポイントは1ヶ月に1回、遅くとも2ヶ月に1回はマットの交換をする事です。マット交換の際には新しいマットは必ずビンの下半分だけにして上半分を今まで飼育していた古いマットを入れます。マットの上を徘徊する幼虫が多いのも、ミヤマクワガタの幼虫の特性のようです。湿度が低いか酸欠が考えられます。霧吹きで幼虫に直接水がかからないように注意を払いながら、霧吹きします。そのまま置いておくと、翌日には潜ってる事が多いです。再度、幼虫が出て来るようであれば、マットを深めに追加して乾燥に注意しながら観察して下さい。菌糸で飼育するのも可能です。たぶんタランドゥスの幼虫飼育と同じ方法で可能です。

蛹化と羽化
ミヤマクワガタは蛹室をケ−スの底や端に作ります。前蛹になったら湿度を低く、温度は高くする必要があります。湿度が高いと前蛹の状態で死んでしまう事が多くなります。今度は蛹化したら湿度は低くなく高くなく、温度は高くします。蛹の期間が長くなると、縮小したり死んでしまったりデメリットしかありませんので早く羽化させるために温室に入れます。前蛹から羽化までの時間は温度に比例します。低い温度だと長く時間がかかり、高い温度だと短い時間で変態します。さらに羽化時の湿度は羽化を上手にさせる為に低くしなければなりません。湿度が高いと羽が堅くならず、羽化不全の原因にもなります。この前蛹から蛹化、羽化までの温度管理と湿度管理がミヤマクワガタブリードの難しいところです。前蛹か蛹の段階で蛹室の上部を壊して穴を開けると観察もできますし、マットが適度に乾燥して死亡率も押さえる事ができますので好都合です。

羽化新成虫の越冬管理
ワイルドのミヤマクワガタは夏から晩秋にかけて羽化する事が多いです。羽化した成虫は翌年の夏までそのまま休眠体制に入ります。飼育下でも休眠させて翌年まで活動させないようにする必要があります。休眠は越冬時期と重なる為、特別に何かしなくてはならないという事はありません。羽化した成虫をそのままケースにマットと一緒に入れて常温で管理しておきます。ただし、あちこちと動き回れるスペースがあったり、温度が高かったり、エサを与えてしまったりしてはダメです。特に後食をするとかなりの確率で死亡します。狭いところに押しこめて、真っ暗なところで静かに保管しておきます。休眠すべき時に無意味に活動していると、突然死してしまう事が多いのです。方法としては、蛹室内で羽化した時は、そのまま翌年の夏まで触らない事です。涼しいところに置いて、そっとしておきます。蛹室から取り出してしまった場合は、プリンカップなどにマットと一緒に入れておきます。クワガタがつかまるように木の皮などを入れておきます。冷蔵庫などでクワガタが活動できないように強制的に休眠させます。カブトムシのブリードでも冷蔵庫を使いますが、5℃程度で管理できればベストです。乾燥しますので注意が必要です。ただし、後食した成虫を長時間冷やすと死んでしまう事が多いです。初夏になれば常温管理しますが30℃を超えないように気をつけましょう。

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