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角曲がり防止
ヘラクレスの一番の問題点は胸角がまっすぐ伸びずに曲がってしまう事だと思います。多少のねじれ位なら許容範囲としても、高額な飼育費用でペッキリ折れてしまっては泣くに泣けません。また、蛹室内の崩れた壁や木屑、脱皮後の皮を前翅に巻き込んでの羽化不良のものは雑菌に感染しやすく高確率で早いうちに死んでしまいます。そう考えると角曲がりのほうが影響が少ないのかもしれません。蛹化時の多頭飼育の場合、角曲がりの確立が高くなります。これはヘラクレスの幼虫達が、蛹室を作るスペースを意識して、羽化不全で死んでしまうリスクを避ける為の防衛本能なのでしょう。

角が曲がるのっていったいどの時点なの?これは蛹化の時点であることはまず間違いないでしょう。蛹化時の蛹室の形状や状態などの物理的な問題によるものが最大の原因でしょう。幼虫は蛹室の頭部側の緩やかな斜面を登るような感じで蛹室の端の方で脱皮を開始します。その後、登った斜面を滑り降りながら安定した所で角が伸び始めるといった感じです。プラケース底が蛹室底になっていると蛹がお尻方向へスライド出来ないまま蛹化運動を始めてしまうので充分に胸角を伸ばすスペースが確保出来ずに曲がってしまう。蛹室の緩やかな斜面は、角の形状を決めるのに大きな役割を果たしていることが推測されます。平らな蛹室では胸角がカーブを描かなく、逆反りしてしまいます。もちろん人工蛹室の形状でも影響します。

プラケースから蛹室が見えてしまう場合は蛹室の深さ、幅、長さが足りないからケースに接触して蛹室を作ります。特に長さが足りない場合は角曲がりではなく角折れを招く原因として影響します。蛹室底面がプラケース底面となる場合は、蛹が寝返りをうてず平らな蛹になることがあります。ヘラクレスの場合、蛹室の長さ約20cm、幅約7cm位必要だとされています。ケース壁面や底面に蛹室の窓が見える場合は、人工蛹室に移すか、蛹室を暴いて長さを確保しましょう。

蛹はお腹を曲げたり伸ばしたり縮めたりを繰り返し、懸命に体液を角へと送り込んで角を伸ばしていきます。脱皮直後に蛹室の緩やかな斜面を下ってくる途中で脱皮後の皮や蛹室内の崩れてしまった壁面、プラケ内部中央にある出っ張りなどにより下りきることが出来ず、蛹室の頭部側の長さが不足してしまったり、蛹化後のまだ軟らかいうちに仰向けじゃない格好で横たわってしまい、そのまま角が固まってしまったりしては、まっすぐ伸びる胸角にはなりません。もちろん体液を送る段階の蛹を動かすと体液を送る作業を止めてしまい角曲がりの原因になります。つまり、蛹化してしまっては角曲がりを防止することは出来ないのです。

では、いったいどの時点で蛹室を暴けば良いのか。蛹室が完成してからそんなに時間が経過しないうちに暴いてしまうと、幼虫は危険を感じて、別の場所へと移動を始めてしまいます。ヘラクレスの飼育には、透明度の高い飼育ケースを使用して、幼虫の色がある程度黄ばんできたら最低でも月に一度程度はケースの底を見ることが大切になってきます。蛹室完成後2週間程度が経過すると幼虫は足を動かすことが出来なくなり、表皮がシワシワとなる。その状態が容器の底や側面から確認できます。このような状態になってから蛹化するまでの期間は2週間程なので、その間に暴くようにしましょう。

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